西村陽一郎 1967年東京都生まれ。美学校写真工房修了。撮影助手を経て1990 年に独立し、フリーランスの写真家として活動を始める。カメラを使わない写真技法であるフォトグラムやスキャングラムを中心に、植物や水、昆虫、ヌードなどをモチーフとした作品を発表している。 期待される若手写真家20 人展(パルコ)、ヤング・ポートフォリオ展(KMoPA)、’ 99 EPSON Color Imaging CONTEST、PHILIP MORRIS ART AWARD 2000、TPCC チャレンジ(東京写真文化館)などに入選。
第58回 全国カタログ展 図録部門
「金賞」「国立印刷局理事長賞」ダブル受賞作品
森山大道、飯沢耕太郎(写真評論家) 両氏の解説を収録。
定価:22,000円(税込)
2016年 500部限定発行
作家署名・エディション番号付
B4判(縦372mm × 横265mm × 高さ20mm)
ハードカバー / 112頁
出版 株式会社鎌倉現代
印刷 株式会社山田写真製版所
ISBN: 978-4-9909070-0-6
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西村陽一郎
1967年東京都生まれ。美学校写真工房修了。撮影助手を経て1990 年に独立し、フリーランスの写真家として活動を始める。カメラを使わない写真技法であるフォトグラムやスキャングラムを中心に、植物や水、昆虫、ヌードなどをモチーフとした作品を発表している。
期待される若手写真家20 人展(パルコ)、ヤング・ポートフォリオ展(KMoPA)、’ 99 EPSON Color Imaging CONTEST、PHILIP MORRIS ART AWARD 2000、TPCC チャレンジ(東京写真文化館)などに入選。
解説
森山大道(写真家)
『西村陽一郎さんが創るイメージ世界は、いつもどこか夢性を帯びている。さりげなくクールでエロティックでミステリアスな夢。
深夜、灯りを消して目を閉じると、瞼の裏に映る燐光に似たさまざまな光景が、網膜にそってゆらめき流れ過ぎてゆく。その、名状しがたい光彩の変容を感応するとき、いつもぼくは西村さんの映像を経験する。
妖しく官能的で蠱惑に充ちたミクロコスモスへの旅を。
作品集「青い花」は、西村さんの感性の昇華である』
飯沢耕太郎(写真評論家)
『今回、西村が試みたのは、彼自身によって「スキャングラム透過陰画法」と名づけられた新技法である。この技法は、スキャナ上に置いた花や葉をネガデータにすることで作られる、いわばフォトグラムのデジタル版とでもいうべきものだ。最大の特徴は、植物の輪郭やフォルムが写しとられるだけでなく、色味が補色に反転することで、たとえば赤いハイビスカスやツツジは青っぽい画像に出力されてくる。その視覚的効果は絶大なもので、花たちはあたかも月の光に染め上げられたような魔術的な雰囲気を醸し出すことになる。いわばポジからネガに転じた「影の花たち」が、そこに出現してくるといえるだろう』
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